Hints and Tips 正しいお手入れと保管方法

6.保管方法

さて、シーズンが終わって次のシーズンまでの期間の保管方法です。

1. クリーニングは極力避ける。
着用回数が少なく、日頃のブラッシングや休養が行き届いて、汗や汚れ、食べこぼし等によるシミがない洋服に関しては、できる限りクリーニングをしないでいただきたいと思います。洗剤が改良され、服地に対するダメージを与える危険性が少なくなったとはいうものの、クリーニングは型崩れの原因になります。また、クリーニング店によっては洗濯後のプレスが決して十分ではない場合があります。是非クリーニングは必要最低限の回数にとどめていただきたいと思います。
ただし、汗をかいた洋服や食べこぼしによるシミがついている服に関しては、放置しておくと汗ジミや虫食いの原因になります。シーズン終わりには必ずクリーニングにお出しください。酷い汗をかいたり、食品による大きな油シミをつけてしまったような場合は、すみやかにクリーニングに出さなくてはならない場合もあります。状況によってご判断ください。
2. クリーニングが必要な場合はシーズンが終わったらすぐに出す。
次のシーズンの着用直前にクリーニングをする方がいらっしゃいますが、汚れやしみが落ちなくなったり、虫食いの原因になります。シーズンが終わったら速やかにクリーニングに出してください。
3. ビニール袋やポリ袋に入ってクリーニングからかえってきた洋服は必ず袋から出す。
ビニールやポリの袋は通気性が悪いので、カビの原因になります。また、せっかくクリーニングをしても、静電気によってホコリを呼び寄せてしまいます。できれば木綿などの天然素材でできたホコリ避けのカヴァーで覆い(古いワイシャツやTシャツなどが有効です)、できるだけ肩の部分に厚味のあるハンガーに掛けて、防虫剤と共に湿気の少ないところで保管するようにしてください。洋服は立体的に作られているものです。折りたたんで箱での保管はしないようにしてください。
4. シーズンがきて着用する前には必ずプレスをしてから着用する。
ハンガーに掛かったまま数ヶ月経過してしまった洋服は、必ず吊るしジワがついてしまっているものです。天然素材で作られた洋服は、どんなにうまく仕立てられた洋服でも、着用すれば必ず着ジワが発生します。ですからある程度の着ジワは避けようがないもので、むしろ着ジワがあることによって洋服に自然な雰囲気が生まれ、身体に馴染んだ美しささえ感じられるものなのです。
しかし吊るしジワはまったく別物で、クリーニングから戻り、シーズンオフの間ハンガーに掛けられていた服をそのまま着用すると、着用することによって発生するのとはまったく異なったシワが洋服に現れ、手入れが行き届いていないのがすぐにわかってしまい見苦しいものです。是非シーズン最初に着用する前には必ずプレスをする習慣を身に付けていただきたいと思います。

以上のようなお手入れと着装法、そして保管の方法を守っていただければ、洋服の見ばえは圧倒的によくなり、また寿命も劇的に長くなることでしょう。
動物でも植物でも純血種であったり温室育ちの特殊な種類であったりすると、病気にかかりやすかったりケアーに手間がかかったりするものです。そのかわりに手間暇掛けて大切に育ててやれば、美しい毛並みを楽しむことができたり、特殊な能力を発揮したり、特別に美しい花を咲かせたりしてくれるわけです。洋服にも同じことが言えましょう。よい素材で丁寧に、細かい工夫が施されて仕立てられた洋服ほど手入れは大変になりますが、きちんと手入れさえすれば、驚くほど長い間、素晴らしい着心地をお楽しみいただけるはずでございます。どうか、せっかくの洋服には愛情を持って手間をかけてやっていただきたいと存じます。

Hints and Tips

  • 1.スーツの手入れと保管
  • 2.プレスの4つの注意
  • 3.道具について
  • 4.ズボンのプレスの手順
  • 5.ジャケットのプレス手順
  • 6.保管方法
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